伝統的なエジプト料理ファーティマ朝から現代まで!エジプト「マウリド菓子」の物語2026-09-02なぜエジプトでは預言者生誕祭にお菓子を食べるのでしょうか?マウリドのお菓子の歴史と、代表的な種類を紹介します。今回は、エジプトだけでなく、アラブ諸国でも大切にされている特別な日について、少し紹介したいと思います。 その日は、イスラム教の預言者ムハンマドの誕生を祝う「マウリド・アンナバウィー(預言者生誕祭)」です。2026年は8月25日がこの日でした。(マウリド・アンナビーは、預言者ムハンマドのヒジュラ暦による誕生日に行われるイスラム教の祭礼) ただ、エジプトではこの日のお祝いの仕方が、ほかのアラブ諸国とは少し違います。 なぜなら、エジプトではこの日を迎えると……お菓子を食べてお祝いするからです!今回は、そんなマウリドのお菓子について詳しく紹介していきます。まずは、そのお菓子がどのように生まれたのか、少しお話ししたいと思います。 「ハラーワト・アルマウリド(マウリドのお菓子)」は、エジプトで生まれたとされる伝統的なお菓子です。預言者ムハンマドの生誕を祝う行事と深く結びついていて、その起源はエジプトのファーティマ朝時代までさかのぼると言われています。(ファーティマ朝は、昔エジプトを中心に栄えたイスラム王朝です。)マウリドの時期になると、街のお菓子屋さんやお店にたくさん並びます。もちろん、今では一年中売られているものもあります。 以前、私はエジプトの「マウリドの花嫁」という文化についても記事を書きました。興味がある方は、ぜひこちらの記事も読んでみてください!(https://egyptopia.net/ja/article/Egyptianpuppets) 「マウリドの花嫁」も、マウリドの時期になると登場する、エジプトならではのものです。 ただ、この人形は基本的にマウリドの時期だけに売られています。一方で、マウリドのお菓子の多くは、一年中お菓子屋さんなどで買うことができます。 この花嫁の人形は、もともと砂糖で作られています。子どもたちへのプレゼントとして買ったり、最後には食べたりもします!最近では、食べるためではなく飾っておけるように、プラスチック製のものも作られています。 エジプトでは、マウリド・アンナバウィーの日は祝日です。 この日には、家族や友達のためにマウリドのお菓子を買ったり、お菓子をプレゼントしたりします。また、預言者ムハンマドの人格や、人を大切にすること、人間らしさの大切さなどについて思い出す日でもあります。では、いよいよエジプトで人気のマウリドのお菓子を見ていきましょう!基本的には、どのお菓子も砂糖とナッツがたっぷり! ということで……いつものエジプト料理らしく、なかなかの高カロリー爆弾です! 特に有名なマウリドのお菓子・マルバン(El-Malbanالملبن):マルバンは、砂糖、水、コーンスターチなどで作られるお菓子です。やわらかくて、もちもちとした食感が特徴で、少しマシュマロに似た感じかもしれません。プレーンなものもあれば、ナッツが入ったものもあります。また、フルーツ風味のものや、外側に砂糖がまぶされているものもあります。 ・フーリーヤ(El-Foleya الفولية):フーリーヤは、ピーナッツを砂糖、グルコースシロップなどと混ぜて固めたお菓子です。シンプルですが、ピーナッツの香ばしさが楽しめます。 ・セサミーヤ(El Semsemiya السمسمية):セサミーヤは、炒ったゴマと砂糖、グルコースシロップなどを使って作られます。ゴマがたっぷり入っていて、香ばしい味が特徴です。 ・ホムセーヤ(El Homoseya الحمصية):ホムセーヤは、ひよこ豆と砂糖を使って作られるお菓子です。名前もとても分かりやすいですよね。ひよこ豆を使っているから「ホムセーヤ」です! ・赤いドゥーミーヤ(El- Domeya El hamra الدومية الحمراء):これはマルバンの一種で、赤い色が付けられています。中にはピーナッツやヘーゼルナッツなどが入っています。 ・ナッツ入りヌガー(El Noga النوجا):ヌガーは、卵白、砂糖、グルコースシロップなどで作られ、中にはピーナッツなどのナッツが入っています。 ほかにも、マウリドのお菓子には本当にたくさんの種類があります!ドライフルーツを使ったものもあり、例えばドライアプリコットなどが使われることもあります。 多くのお菓子は、いろいろな種類のナッツや砂糖、グルコースシロップなどを組み合わせて作られています。例えば、「フーリーヤ」はピーナッツを使い、「ホムセーヤ」はひよこ豆を使います。そして、アーモンドを使った「ルーズィーヤ(اللوزية)」というお菓子もあります!名前の付け方もすごく簡単です。使われているナッツの名前から、お菓子の名前が付けられていることが多いんです。アーモンドはアラビア語で「ルーズLoz (لوز)」なので、アーモンドを使ったお菓子は「ルーズィーヤ(اللوزية)」! ね、分かりやすいですよね?😂こうしたマウリドのお菓子は、預言者生誕祭が近づくと、お菓子屋さんなどでたくさん売られるようになります。そして、もしマウリドの日に買えなかったとしても大丈夫!これらのお菓子の中には、一年中いろいろなお店で買えるものもあります。エジプトに来る機会があったら、ぜひ一度、マウリドのお菓子を食べてみてください!関連記事モロヘイヤ!ファラオ時代から、現代のエジプト食卓へ!コシャリ- エジプトの国民食になるまでの旅!ムサカ: シンプルさが勝った味!古代エジプトから続く朝ごはん…フールとターメイヤ寒い日にぴったり、エジプトのレンズ豆スープ!もし天国に味があるなら…エジプトのライスプディンだ!